口も開けられない歯と耳の痛み

55歳 女性 パート職
主訴「歯と耳がズキズキ疼いて眠れない。口も開けられない。」

経過

3日前の朝から右下奥歯が痛み出し、口は1センチも開かなくなった。昨夜は疼きで眠れなかった。今朝からはさらに、耳までズキズキと痛む。

耳鼻咽喉科を受診したところ、これは歯科だからと歯科医を紹介されたが「口を開けられないなら診察できない」と痛み止めと抗生剤をもらっただけという。1回だけ飲んだが、痛みは変わらず口もあかない。

子午診断

右下奥歯は大腸経のつかさどり。左腎経・太谿に金10番を補法したが、脉は大きくなった。ということから、患部は虚痛であり、反対側の大腸経が実だろうと推測し、子午拮抗経絡の右の腎経に補法をくわえれば良いことが判る。
よって患部と同側の右腎経の太谿に補法を加えると脉が締まる。しかし1番締まりではないようだ。耳の周りにも痛みがあるということから、三焦経と見て右脾経に補法、キューと1番締まり。証が脾虚だとするなら、その母経絡は心包ではない。やはり心経の通里で脈は締まった。

奇経診断

左外関・N―左照海・Sで脉締。

脾虚腎虚証右同側 栄火穴使用
最初の腎経補いの段階で、口が少し動かせて疼きも消失していた。これはいける、と子午診断を上記のように続けて行った結果が、見事に治療兼診断となり、且つ難経69難の本治法までを座位10分で終了したのである。
「痛みは10のうち6が軽くなったし、疼かない」という即効性であった。患者さんに時間があったので3時間後2回めの治療を同様にしたところ、口は半分開くようになってかみ合わせの痛みも殆どなくなっていた。

次の日の電話で、夜はご飯もかむことができて、食事も軽く取ることができた、昨夜はよく眠れました、とのこと。
2日後の3回目の治療 ―下弦の月で適応側が変化していたー

経過

朝から食事もでき、口も開けることができて9割治ったという。「ほんと鍼灸治療ってすごいですね。歯医者さん予約は断りました」
下弦の月を挟んでの今日はあんのじょう右同側から左同側に子午も奇経も本治法の適応側も変化していた、見事にである。
初出:2017/10/27
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