詳説:眼のゴロゴロを自分で取りました

TODAY’S CONTENTS

・イントロダクション
・症例

イントロダクション

みなさんご存知のように(知らんか)まだ鍼の右も左もわからなかった数年前、ブログのPVの多さに「これはさぞかし読者の方々のタメになっているのだろう」と思っていたところに葛野代表から聞かされた衝撃の言葉、「読んでわかってる人、ほとんどいないと思うよ」って!
どういうこと!!
私はそんな誰の役にもたってない、賽の河原に石を積むような作業をしてるってこと??
経絡治療というものがいかに少数派であるか、また絶滅危惧種であるか、ということは足をつっこんだ鍼灸学校でも思い知らされました。
経絡治療がいかに役立つものであるかを知っていただかなくては!
いえ、知っていただかなくていいです(どっちやねん。
知っていただきたいのは経絡治療ではなくて氣鍼医術。だって私は氣鍼医術しか知らないから。
いえ、知っています(どっちやry。
氣鍼医術以上に治せるものがない、ということは知っています。治せてくれるなら氣鍼医術でなくていいのです。治せるものがないから、治せる手段として氣鍼医術をひとりでも多くの方に知っていただきたいのです。治せる治療家が増えて欲しいのです、患者として。
読めばわかっていただけるもの、その通りにやれば治せるもの、そういう内容のものを書くことを目指しています。知識のある方には釈迦に念仏状態かもしれませんが、病名で検索して当ブログにたどりつかれた患者さんや、経絡治療以外の治療をなさる方のご参考になりますように。
以上、長すぎる前振りでした。

症例

この2ヶ月ばかり、左右の瞼が交代で腫れます。いつも腫れてるのでまるでオレンジのアイシャドーを塗っているかのよう。その都度子午鍼法だけでごまかしていましたが、あまりにひどくなってきたのであきらめて(?)子午から本治まで通しでやることにしました。

症状

左眼にものもらいのようなゴロゴロとした違和感、腫れてます。

子午診断

左眼は胆経と判断、胆経の子午拮抗経絡は心経、心経の絡穴である①通里(右)に鍼をあてると脉締を得ましたので、左眼の痛みは実痛であると判断。心虚です。
※子午診断で鍼を刺すことはしません。指鍼、もしくは鍼先が丸くなっているものを使用します。
※脉締とは、氣鍼医術独自の概念で、治療の正確さ、達成度の指標となる脉状です。六部定
位のように脉診30年といわれるような名人ならではの経験値に頼るものではないので、客観性ゆえの再現性のベースとなります。
※一発で「胆ー心」と決定したわけでなく、膀胱経、三焦経、胃経と試した結果、もっとも脉締を得られたのが胆経だったのです。

奇経診断

胆経が実していますので、奇経は臨泣グループを使用します。
・臨泣ー合谷
・臨泣ー後溪
・臨泣ー外関
②臨泣(N)ー③後溪(S)で脉締を得ました。この時点で眼の腫れはひいています。

※臨泣にN極の平鍼、後溪にS極を貼付します。
※氣鍼医術では奇経診断は実の経絡を確定するために用います。

心虚肺腎実証 右から
奇経より
臨泣 → 子午拮抗経絡 → 心虚
後溪 → 子午拮抗経絡 → 肝虚
奇経診断のルールにより主証と副証が母子の関係である場合、相剋実となる。
心(子経)→肝(母経)
肝の相は腎、肝の剋は肺、ゆえに肺腎実となります。

本治法

浮腫みがあるので、合水穴を使います。
1:右 心経 少海 補
2:右 肝経 曲泉 補
3:左 肺経 尺沢 瀉
4:左 腎経 陰谷 瀉

※1穴ごとに脉診をします。もしも目指す脉締が得られていなかった場合は、選穴がふさわしいものではなかったということです。選穴に不安がある場合は前もって指鍼にて適切かどうかのチェックを行います。
※瀉法の場合は用鍼も指鍼にて確認します。

陽経の処理


①臨泣、②後溪の邪を軽く瀉します。
眼の違和感は消失していました。以降、再発もしていません。門前の小僧にもこれだけのことができます。この再現性の高さが氣鍼医術の力です。

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