脉診流氣鍼医術による治療の概要

脉診流氣鍼医術とは、一鍼一穴ごとに検脉し、脉締・良脉を得ることをすべての診断・治療の基準とし、証の決定・選経選穴・手技の的確性も判定し、補瀉術の正鵠をなし、生命力を強化する伝統鍼灸術をいう。

鍼医術の言葉の定義

締(みゃくてい)を得る

広がった脉状が細く縮まり、堅い脉状が柔らかくなり、躁がしい脉状が静かになり、脉が締まることをいう。

良脉(りょうみゃく)

治療成功の目標脉状であり、病苦を除去するための生命力が高まった脉状をいい、中脉よりやや下に在り、細く締まり、艶と和緩と、時季脉を帯び、滑らか且つ、率動的な脉状をいう。

基本鍼法

1:鍼を経穴上空に近づけるだけの「空中氣鍼」鍼法
2:触れるだけの「氣鍼」鍼法
3:刺入する「氣刺鍼」鍼法

本治法の特徴

1:相剋する経絡の虚をとらえ補う(相剋調整)
2:両側ある経絡は、片方の経絡を使う(片方刺し)
3:難経六十九難に準拠

子午鍼法(診断)

病症経絡(実)が右側の場合、左の拮抗経絡(虚)を補うことで治療する。拮抗経絡は次のように決まっている。
胆ー心
肝ー小
肺ー膀
大ー腎
胃ー心包
脾ー三
これらが定則で、やじろべえのように右が上がれば(実)左は下がる(虚)ので、虚経絡を補い、実経絡を平らにする。また患部が虚痛のときは「同側子午」となる。

奇経鍼法(診断)

八総穴(後谿ー申脈・外関ー臨泣・公孫ー内関・列缺ー照海)を病症に照らし、上下・交差で主・従に分ける。主穴に金(N)、従穴に銀(S)の平鍼を貼付し治療する方法。実経絡に対する瀉的治療という位置づけが原則である。