ヘルニア治療に用いる五行穴は?

淡路の北野鍼灸院北野文章先生による、漢医堂社(やしろ)本院の見学レポートと、ご自身の症例報告です。

見学感想

女性50代 主訴:両下肢の坐骨神経痛

歩くのもやっとな感じ

【証】腎虚心虚同側

治療は督脈の氣鍼、氣刺鍼から行い、督脈上の反応点に施術を行っていく。

腰椎の督脈に氣刺鍼を行っていると、膝付近がだるくなってきたとの訴え。本治法を行ったところ、膝のだるさが無くなった。

体が敏感な方などは特にドーゼ等は注意する必要があり、鍼数が多くなるとだるくなってしまうことがある。

症例

男性30代 主訴:腰痛と右尻から下肢の痛みと痺れ

男性30代 主訴:腰痛と右尻から下肢の痛みと痺れ

約6ヶ月前に腰に痛みが発症した。

痛みの強さが今までにないくらいだったので整形を受診。

ヘルニアと診断されたよう。

痛み止めと湿布を渡されて様子見、次回2週間後に来てくださいとの指示があった。

それから2ヶ月がたち、腰の痛みは楽になったがお尻から足への痛みと痺れは変わらず。

立ちっていると症状が強くなる、痛み止めも効かず。

仕事は夜勤ありの2交代制で、12時間の立ち労働。

初診

背中から腰が、全体的に張っている。

腰椎5番あたりに熱感あり。

痛みしびれはお尻は裏、足は外側。

【証】腎虚単一 
榮火穴 奇経:右照海左列欠

督脈氣鍼①から②

腰の華陀穴氣鍼①から②

お灸はなし、冷湿布とテーピングをして治療終了。

治療後は痺れ薄くなり、痛みは気持ちましな程度。

2診目(3日後)

痛みは変わらず、痺れはほんのすこしだけある程度。

腰椎の熱感は変わらず。

【証】腎虚単一 
榮火穴 奇経:左照海右列欠

督脈氣鍼①から②

腰椎華陀穴、氣鍼①から②

灸なし、冷湿布とテーピング。

治療後しびれはなくなる、痛みは気持ち楽な程度。

3診目(初診から6日後)

痛みは変わらずあるが、痛み止めを飲むと軽減されはじめた。

痺れは消失、腰椎の熱感が以前より減っている感じ。


【証】腎虚心虚右から 
榮火穴

督脈は氣鍼①から③

腰椎華陀穴は氣鍼②から③

お灸は1壮、冷湿布とテーピング。

4診目(9日後)

しびれはなし。

痛みはあるが気持ち軽減したような感じ。

【証】腎虚心虚右から 
榮火穴

7診目

痛みが軽減してきた、腰椎の熱感も軽減してきている。

【証】腎虚心虚左同側 

榮火穴

治療継続中‥

治療を開始して少しずつではあるが、症状が改善されていくに従い証が変化していく。

密着充実ある押手で子午診断を行い証を決め奇経診断で確かめていくことで、証の間違いを防ぎ、患者さんの状態に応じて治療をしていくことが大切である。

 

 

※証は変化していきましたが、ヘルニアの熱が残っていたためか本治法で用いた五行穴はずっと榮火穴だったようです。

 

最後までお読みくださりありがとうございます。

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