氣鍼医術とは

4月5日の氣鍼医術臨床講座、1年生の部で中村泰山先生が「氣鍼医術とは」という講義をされました。

それがたいへんわかりやすかったので、改めて氣鍼医術の概要説明のためにその講義の内容をまとめてお伝えします。

氣鍼医術とは

・経絡治療である

気血の変動、虚実の異常の有無をツボで診断/治療して整える随証療法

・難経六十九難に乗っ取った治則 

虚すればその経はもとよりその母を補う、実っすればその経はもとよりその子を瀉す(赤字の部分が氣鍼医術ならではのもの) 

例)肝虚ならば、まずは肝経を補い、肝経の母経である腎経を補う

氣鍼医術の特徴

・脉締(みゃくてい)を診断基準とする

①広が縮(こうがしゅく)

②堅が柔(けんがじゅう)

③騒が静(そうがせい)

④遅数が平(ちさくがへい)

この4つの状態を満たす脉状を脉締と定義し、脉締を全ての診断/治療の目標とします。従来の経絡治療のメインであった六部定位のように経験則に左右されることが少ないため初学者にも治療の成否が的確に判断できます。

・複合診断である

①子午診断

補法である(虚した経絡へのアプローチ)

②奇経診断

瀉法である(実した経絡へのアプローチ)

③腹氣鍼診断

補法である(診断6穴に鍼をあて、脉が締まればその経絡は虚、脉が受けば実と診断。難経絡六十九難本治法の証に直結する。)

子午、奇経、腹診を行う流派は他にもあるが、氣鍼医術で特徴的なのはこの3つの診断が連動していること。つまり、それぞれの診断結果が他と矛盾していないことです。

子午で虚していると診断された経絡が他の診断法で実っしているとなってはいけません。もしも3つの診断法で折り合いがつかなければ、それはやり直しとなります。ゆえにより正確に証にたどり着くことが可能なのです。

子午診断と腹氣鍼診断は補法の押手で行いますが、奇経診断は磁石の平鍼を使用します。奇経診断と比べ子午と腹氣鍼診断は押手の出来不出来に左右されてしまいます。押手が完全でなければ、補法のつもりが瀉法になってしまいます。

ゆえに奇経は各診断の客観的な整合性の根拠となり得るのです。

 

3つの診断法と本知法、これらを脉締に至るまで繰り返し、限りなく良脉(理想脉)に近づけるのが氣鍼医術の治療です。

 

確実な押手、そして脉締を目指すこと、これが氣鍼医術の即効性・再現性・治療力の根拠です。

最後までお読みくださりありがとうございました✨
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