ただの湿疹じゃなかった!

漢医堂三ノ宮分院にて、火曜午後/日曜夕方の治療を担当されている、松崎広恵先生による臨床レポートです。

40代女性

主訴:左後頭部湿疹の痛みとかゆみ

1週間程前から、左後頭部から左頚、左頬に湿疹が出ている。かゆみとピリピリした痛みが有る。

この湿疹は何でしょうか?
これはヘルペスだよ。このままだと湿疹がグジュグジュになってもっと神経の深い奥に入り込むよ。目の神経の方まで行ったら最悪失目するよ。
えっ、そうなんですか!?そんなにひどいと思わなかった。
免疫が落ちてる証拠だよ。鍼とお灸で基礎体力を上げて治していきましょう。

証:心包虚肺腎実 右から
(奇経診断 左陥谷ー左後渓)

本治法ではまず右の心包経、その次にその母経の肝経を補う(今回は炎症があるので、滎火穴に鍼を当てたところ、一番脉が締まるので老宮、行間を使用)。

本治法の後は標治法。湿疹の有る患部の根っこ部分(神経支配している督脈上)に多壮灸。
次第に後頭部のピリピリ感は取れてきた。
左頚から頬にかけても患部に施灸。
しかし、頬から顎にかけての痛みが残った。

そこで、最後に子午鍼法。左頬から左顎の痛みに対し、胃経の実痛とみて右の心包経に金の十番鍼を当て丁寧に氣を補う(子午鍼法は補法鍼法)。すると最後に残った痛みがすっと取れた。
基本的に上顎の痛みは胃経、下顎の痛みは大腸経が関する場合が多いが、複雑に絡みあってる部分であるので胃・大腸両経仮定してみることが多い。

皮膚科には行った方がいいんでしょうか?
きちんと診断を受けるのはいいかもしれないけど、処方された薬で胃腸がやられて体力が落ちちゃう心配もあるからね。
分かりました!鍼灸でなんとか体力を上げて頑張ります!

現在治療継続中

最後までお読みくださりありがとうございます。

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