お灸が要るとき、ダメなとき【見学レポート&症例報告】

淡路の北野鍼灸院北野文章先生による、漢医堂社(やしろ)本院の見学レポートと症例報告です。北野先生、ありがとうございます。

女性 60代

左肩がだるく痛い
孫二人をだっことおんぶをしていたらだんだん痛みがでできた
夜中も痛くて起きることがある。

証:腎虚 交差 栄火穴
督脈は反応点を丁寧に探っていると、頸椎間よりも上部胸椎間のほうが反応点が多く、胸椎間を指で押さえていくと肩が痛くだるくなる。
肩の痛み、ダルさは主に胸椎のヘルニアが原因である。
督脈は圧痛点に丁寧に気鍼を行う
治療前に確認した結髪、結滞動作の痛みが少し軽減。
お灸はなし
テーピングと冷湿布をして治療終了。
痛み、だるさ、うずきがある患者さんの治療は長い時間座位の状態でいるとその日の夜に痛みが増強する場合があるため、手早く治療を行うことが大切である。

男性 50代

仕事で重たい荷物、家具などを持って左腰から臀部を痛めた

証:脾虚腎肝実 兪穴
背部に気鍼を行い本治をしたあと動作痛の確認をしたら痛みが少し軽減。
もう一度背部に気鍼を行なったが、痛みがなかなかとれない為、腰椎部分の督脈の反応点にお灸を少し多めに行い脈締を得たので動作を確認したら痛みが消失した。
今回この患者さんの腰の痛みは慢性的になっており、気を動かしただけでは治療効果があまりなかったため、お灸で血を動かしてやることで、痛みが消失した。
症状が新しい場合などは、気鍼だけで症状が取れるが、慢性的な症状にはお灸も必要になってくる。

症例:50代女性

かなり昔から左腰から太ももに痛み、張りがある。
しびれはなし。
立ち仕事などをすると症状がでてくる。
前屈時痛、後屈時痛、左右回旋時痛あり。
左右足上げは症状なし。

証:脾虚腎肝実 合水穴
本治後に動作痛の確認をしたら後屈が少し楽な程度
督脈、かだ穴に気鍼を行うと回旋時痛はなくなったが、前屈、後屈の痛みがある。
L4/L5 L5/S1に圧痛あり。
一番の反応点はL5/S1だったので、脈が締るまでお灸を行う。
動作痛の確認で前屈痛はなくなり、後屈時痛もかなり軽減された。

証が脾虚腎肝実のため、督脈経は虚になるので、補的に鍼を行うのだが、この患者さんの場合は皮膚からほんの少し浮かす所で脈が締ったので、鍼=刺すの感覚で治療を行っても痛みはなかなかとれない。
脈が締る深さを丁寧に探すことが、大切である。

最後までお読みくださりありがとうございます。

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